ステートマシンによるCOT制御降圧コンバータ

PLECSのデモモデルに含まれている、この事例では、PLECSステートマシンブロックを使用したCOT(Constant On-Time)制御降圧コンバータを解析しています。

制御ロジック

外部ループ電圧補償器は、比例積分(PI)コントローラを使用して実装されており、実際の出力電圧と電圧指令値との差から電流指令値を算出しています。 内部ループ電流補償器は、下記に示すCOT(Constant On-Time)制御を使用しています:実際の電流値が指令値より小さくなると、 一定の時間、MOSFETがターンオンされ、MOSFETがターンオフしても、最小時間で再びターンオンします。

PLECSステートマシンブロック

COT制御は、電流誤差「Ierr」を入力し、MOSFETスイッチング信号「S」を出力する、ステートマシンとしてモデリングされています。一定のターンオン時間と最小ターンオフ時間は、内部定数「ton」と「toff_min」として設定されます。ステートマシンには、MOSFETターンオン/オフ用の2つのステート「On/Off」と待機ステート「ReadyForOn」があります。

ステート「On」がアクティブになると、その開始動作として出力信号「S」は1になります。ステート「On」の開始後、「ton」秒後にステートマシンが実行され、タイマーイベント「AFTER(ton)」がアクティブになります。これにより、ステートマシンはステート「Off」に遷移し、出力信号「S」は0になります。このイベント実行後、「toff_min」秒後に、再度ステートマシンが実行され、タイマーイベント「AFTER(toff_min)」がアクティブになります。このタイマーイベントの遷移はジャンクションで分岐します。入力信号「Ierr」が0より大きい場合、ステートマシンはステート「On」に遷移します。それ以外の場合、ステートマシンは、待機ステート「ReadyForOn」に遷移し、入力信号「Ierr」が0より大きくなるまで待機します。デフォルト遷移は、同じジャンクションをターゲットにしているため、シミュレーション開始時の入力信号「Ierr」の値に依存(Ierr>0)して、ステート「On」または、待機ステート「ReadyForOn」に遷移します。

デフォルトの制御ブロックを使用してCOT制御を実装する例題は、PLECSデモモデルの「直列キャパシタ降圧コンバータ」を参照して下さい。

Try it

モデルは、PLECS Blockset/Standaloneの「PLECSデモモデル」ライブラリに格納されています。