回路の動作原理
DC/DC昇降圧コンバータは、入力された「正:+」の直流電圧を、「負:-」の直流電圧へ変換して出力します。回路の動作はスイッチ(MOSFET)の導通状態に依存します:
- ターンオン状態:インダクタに流れる電流が増加し還流ダイオードは逆止状態になります。
- ターンオフ状態:インダクタが電流を流し続けようとするため、還流が発生しダイオードが導通し転流を始めます。電力がインダクタからキャパシタへ移動するため、インダクタの電流値が減少し、入力電圧(Vin)と反対の極性を示す電圧が抵抗器に発生します。定常状態での動作は以下になります:
- インダクタを流れる電流が「0A」の場合は、不連続導通モード(DCM)で動作します。
- インダクタを流れる電流が「0A以上」の場合は、連続導通モード(CCM)で動作します。
回路には2つの動作制限があります。PWMのデューティ比:Dが 「0」の場合は、出力電圧は「0V」になり、「1」の場合は、出力電圧が無限大(∞)になります。上記の制限により、連続導通モード(CCM)で動作する降圧コンバータの出力電圧は、次の式によって定義されます:Vout = -D/(1-D)・Vin
上モデル図のように、インダクタおよびキャパシタを並列接続した場合は、出力電圧のリップルを低減する2次ローパスフィルタとして動作することに留意して下さい。
シミュレーションモデルでの実験
- コンバータのPWMデューティ比を「0.5」から「0.4」および「0.6」へ変更して、出力電圧の平均値が「16V」から「36V(入力に対応した値)」へ変化することを確認して下さい。
- 抵抗値を「10Ω」から「80Ω」へ変更し、コンバータが不連続導通モード(DCM)で動作することを確認して下さい。