微分回路

 

動作原理

上図回路モデルは微分回路(オペアンプ)をモデリングしており、キャパシタに流れる電流を検出することによって、下記式に示す入力電圧の変化率に比例した出力電圧を生成します:

キャパシタ右(出力側)の電圧は、仮想接地により0ボルトになるため、キャパシタを流れる電流は、入力電圧変化のみの影響を受けます。安定した入力電圧ではキャパシタ:Cを流れる電流に変化は生じませんが、入力電圧が変化した場合、電流量にも変化が生じます。電圧の変化が速いほど、出力電圧値は大きくなります。

式の導出

仮想接地とオペアンプの無限インピーダンスのため、全ての電流がキャパシタとR1に流れます:

vc = vAC - icR2 ~ vAC (収束性向上のため非常に小さな抵抗R2が必要になります)
 

この回路モデルの適用事例としては、主回路の電気的出力特性から温度の変化率を検出し、温度条件に依存したトリガ信号を出力して、サーモスタットや空冷ファンの制御に適用する手法が考えられます。

実験課題

  • 交流電圧源の振幅および周波数を0に設定し、直流電圧源の電圧値を1 Vに設定して、入力電圧に変化がない条件の出力を確認して下さい。ここで、入力電圧が一定の場合、キャパシタ:Cの充電完了後は、dv/dt がゼロとなるため、出力電圧もゼロになります。